コンシールファスナー、付け方ありすぎ問題

冬物のスカートやワンピースを創られる生徒さんが多くなってきた今日この頃。
こういったアイテムに
必ずと言っていいほど登場するのが、コンシールファスナー。

”conceal=隠す”
つまり、閉めた時にファスナー部分が見えないように付けられるファスナーです。
既製品でも衣類には一番よく使われるファスナーですね。

こんなに服創りには頻出アイテムなのに、
これが案外厄介なものでして…
縫製もだし、教えるにしてもすごく悩ましいアイテム。

そうなんです、
『コンシールファスナー付け方何通りあんねん問題』

 

指導する際に私が心がけていることは、
まずは”最もベーシックなやり方をお伝えする”ということ。

市販の洋裁本等に書いてあるやり方は
初心者でも、より簡単に縫えるように配慮されていています。
(その配慮が余計初心者を理解できなくさせているところは無きにしも非ずですが)

でもそれがたった一つの、最も正しいやり方だと思ってしまったなら、
次の機会でそのやり方が応用できない場面が出てきて
余計に洋裁を難しいものにさせてしまうのではないかと思っているんです。

 

確かにベーシックのやり方は
手作業が多くなってしまったり、明らかに時間もかかる。
最初から全部ミシンだけで仕上げられるやり方があるなら、
絶対そっちの方が楽でしょ!!それ教えてよ!!

という声はもちろんあるかと思いますが、
ベーシックを知った上で、
”もう少し簡略化して縫える方法はないのかな?”
そういう疑問を持った時に初めて、その他のやり方を知っていただく、
この順番が本当の意味での”習得”ではないかと思っています。
生徒さんだって、最初から何通りもあるやり方を
一気に説明されても混乱するだけですしね。

ただ、コンシールファスナーだけは…
最初から楽なやり方を生徒さんに教えたい。
と思ってしまうんですよ(笑)
あれ、先ほどあんなに熱く語った
講師の信念はどこへやら(笑)

ただ、楽、と言っても、決して誰がやっても簡単になるということではなくて、
こっちのやり方の方がきれいに早く仕上げられるよね!
ただし、”コツを掴めば”って感じ。

多分、多くの人がコンシールファスナーつけに悩まされ、
各々の最高のやり方をあみ出し、
結果、めちゃくちゃ付け方の種類が増えてしまったんでしょうね。^^;

 

先に表地につけるのか。
はたまた裏地に先につけるのか。
閉めた時に左右の柄が合うように?
ファスナー生地の巻き込みをアイロンで伸ばすか伸ばさないか。
上から縫うのか、下から縫うのか…

 

今のところ、私はベーシックに沿って、
その上でそれぞれの生徒さんにとって
やりやすそうな方法をその都度試していただいているんですが、
未だに教える身としてもしっくりくるやり方が見つかっていない感はあります。
私もまだまだ講師として日々勉強中です。

洋裁はほんとに奥深い。
だから面白い。^^